Ghost like girlfriend

TestifyColumn

2018.8.9.PM17:24

先月の中頃に、カホンを叩きながらback numberやレミオロメンを熱唱するアニソン系シンガーの隣人が引っ越していった。
訪れた平穏も束の間、先週オペラ歌手が引っ越してきて隣人となり、「season2だな」と思った。
本当に要らない。マジで要らない。

昨日は「WITNESS」のジャケットをデザインして下さった大楠さんと、写真撮影をして下さった神藤さんと夜ご飯へ行っていた。
会うのは5月末のジャケット撮影日以来で、その日もその日で撮影終了後にすぐ「sands」のMV撮影現場へ向かった事からそんなに話せず、しっかりとお話するのは昨日が初めてだった。

小学校から高校の頃まで、父親が大阪に住んでいたから2週間に1度ほどのペースで妹と一緒に大阪まで会いに行っていて。
そして当時父が住んでいて兄妹で通っていた街が神藤さんの地元だったり、父方の祖父母や親戚のおじさんが住んでいる九州の福岡県周り、その近くが大楠さんの地元だったりと色々実は近かった事が分かって驚いた。

「WITNESS」のレコーディング前から「次アルバムを出すとしたらこういう感じのジャケットが良い」というような漠然としたイメージ図が頭の中にあって、それに近い雰囲気のジャケットがとある好きなバンドのCDジャケットの中にあったので意識していた。
レコーディングが始まって数日経った頃に、「Ghost like girlfriendを気に入って聴いてくれているデザイナーさんがいるよ」と教えてもらい調べると、偶然にもそのバンドのCDジャケットをデザインされていた方で。
それが大楠さんだった。
そこから是非お願いしたいですと伝えたところ快く受けてくださり、そしてその大楠さんが最も信頼を寄せているカメラマンが神藤さんだった。
ジャケット撮影日の前から大楠さんが神藤さんにGhost like girlfriendを熱弁してくれたようで、そこから神藤さんも聴き始めてくれたり。
育った街が近かったり、熱量を持って一緒に作品を作って下さる方とご一緒出来て本当に良かったなと改めて思った。

その後に合流した映像の仕事をしている方も、初めて会ったのにも関わらず「今後こういう事がしたいんです」というとマシンガンのように「じゃあこういうのはどうかな」と色んな考えを提案してくれたり、帰り道が一緒だった神藤さんが一生懸命にエールのような言葉を掛けてくれたり、凄く元気をもらった1日になった。

才能のある人というのは、その人にしかないフィルターを持っている人の事を指すのかなと思う。
何かしらに感銘を受けたり参考にしたりして作ったにも関わらず、最早その何かしらの面影は一見無く、でも素晴らしくて尚且つその人でしかありえないものに気付けばなっているという奇跡的な人が多くはないけど確かに居て。

そういう人を見つける度に、妬みに反転しそうな程に強く羨ましいと思うし、それがつまりは自分にフィルターがないって事を意味する事だとも分かるから尚の事複雑になる。

只その一方で最近よく思う事が出来た。
それは、心で普通の暮らしという平坦な道を歩く中で、嬉しい言葉をかけてもらって心を舞い上げてもらったり、悔しい思いをして心を沈められたり、その都度出会う誰かに視点を変えてもらっているから曲が書けているという事だ。
シンガーソングライターやソロプロジェクトという言葉を並べていながらも、やればやる程に1人でやっているという感覚が薄れていく。
誰かの言葉や仕草を受けて曲が出来ているし、そうして出来た曲を伝える力も誰かから借りていて、考えれば考える程に全然1人じゃないなと思う。
自分の中にこそ無いものの、自分と誰かの間には無数のフィルターがある感覚がする。

続ければ続ける程また会いたい人や会ってみたい人が増えてきていたし、むしろやっと気付いたのかというくらいなのかもしれないけど近頃よく思う。
だからか下手ではあるけどそれでも人と話すのが日に日に好きになっていくし、誰かと接しながら暮らしていく日々がまた音楽になりそうになった時、それをなるべく正直に形にしたい。

器用になるべく全てを曲に出来れば良いなと思う。
空気や光、喧嘩や朝方、そしていつかは隣人すらも。

2018.8.9.PM19:50

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