Ghost like girlfriend

TestifyColumn

2018.10.26.PM17:35

このところ、聴いてくださっている方からお手紙やTwitterのリプライ、InstagramのDMなどで言葉をもらう機会が多くなった。
もし取り零してしまって不公平になってしまったら、という理由で返信はしていないものの、しっかり読ませて頂いていて。
自分が何かに立ち向かっていかなきゃいけない時や苦しくなりそうな時ほど、何故か嬉しい言葉をもらう時があって、何かを見透かされているような感覚になって敵わないなと思う。

誰かや何かとの出会いや、接してみて見つかった少し大きな共通点だったりを容易く運命と呼ぶのはもうやめたけど、音楽に関してはちょっとあまりにもそう思わざるを得ない事が増えてく一方で、続けていきたいなという気持ちも増している。
本当にいつも有難うございます。

このTestifyも気付けば半年やっていて、先日ざっとふと読み返していると序盤の方は「WITNESS」のセルフーライナーノーツを楽曲毎に書いてて「そうだそうだ」と思い出した。
完成して間もない頃に書いた文章だったし、自分の弱さや恥やクズっぷりを一回全部ブチまけたアルバムというのもあってハチャメチャな情報量になっていて。
もうかれこれ2年前のアルバムだし、あれ程の熱量や事細かさは難しいかもしれないけど、今回から「WEAKNESS」収録曲の事について書いていこうと思う。

という事で今日は1曲目、「fallin`」から。

Ghost like girlfriendとして初めて世に出した楽曲であり、「WEAKNESS」の1曲目であり、一番知ってもらえている楽曲でもありと、色んな意味で顔になってくれている楽曲。
「代表曲です」とハッキリ言い切れるような楽曲がこんなに早く出来るとは正直思っていなかった。
つまり裏を返せば「これで世に出てやる」と意気込みまくって作ったわけではない。
むしろ凄くサラッと書いた楽曲だった。

当時シンガーソングライターとしてアコギ一本で活動していて、その頃は曲タイトル、そして特に歌詞に英語を使わないというルールを自分に課していた。
今と真逆になるけど、ライブで聴いてもらって気に入ってもらえるようにと思っていたから日本語だけの方が伝わりやすいと思い、そうしてきた。

なので「WEAKNESS」もそのルールの下で最初は作ろうと思っていた。
2週間の間で収録曲を揃えたいという都合から、9月に入ってすぐくらいに曲を書き始めて「ghost」「煙と唾」含めた候補曲も既に出来上がっていて。
そろそろ2週間経つという頃、アコギを弾いている時に「フォーリンラブ」という言葉とメロディを何気なく口ずさんだ。

17歳から5年守ってきたルールに背くものの、ここらで新しい事に挑むのも良いなと思い、その「フォーリンラブ」という言葉に沿って一先ず歌詞を書いた。
それがこれ。

———–
お揃いの気持ちを手に入れた夜
君と僕の髪の匂いも同じになれたんだ

それが嬉しくってさ
溢れっぱなしの笑顔で混み始めた電車に乗った

頭ん中、君と出会ったあの頃から
巻き戻して何度も振り返りながら

フォーリンラブ
不安からはみ出せた僕を僕が褒めてる
この夜を迎えられた僕を僕が祝ってる

———–

これが2016年9月14日の時点での歌詞。
読んで貰えば分かる通り、ラブソングにするつもりだった。
フォーリンラブという言葉を基準にしていたから、自ずとそうなっていった。

そこから2日後に「Othello」という楽曲が完成して、更にその5日後には収録曲が決定した。
その段階では「fallin`」をアルバムの1曲目にしようと決めていた。

まだGhost like gilfriendという名前を使うかどうかだったり、ライブを引き続き続けていくかどうかもこの時は決まっていなかったけど、少なくともそれまでの活動や状況に線を入れるような、分岐点となるようなアルバムになるのは何となく分かっていたし、そうしたかった。

そうなった時にアルバムの一曲目がラブソングというのはどうも自分の中で違った。
「フォーリンラブ」という言葉を人と人との間じゃないどこかに使おうと探した時に、自分が今居る場所や環境に目がいった。

渋谷。
高校2年の頃に入った事務所があった街であり、沢山出ていたライブハウスがあった街であり、自分がミュージシャンだという自覚を持って一番歩いた街。
上京して来た頃はそういう場所へ繰り出す度に、誰かに見せつけたくなるような未来の明るみを感じながらスクランブルを渡っていたけど、思っていた方とは真逆の暮らしにしかならばくて。
時には怒られる為だけに向かう事もあったり、煌めきが自分の中でまるで無くなってしまった。

下北沢は弾き語りとしての最後の一年を特に過ごした街。
ミュージシャンとしてこれからもやってくと決めたものの、思い通りにいく事が少なすぎてブレそうになったり、凹んだりしていた。
そんな中で大学の友人や音楽仲間と「大丈夫よ」と鼓舞しあったり、そんな悩みを忘れるような馬鹿な事も沢山した街だった。

兎にも角にも鳴かず飛ばずで、決意を固めては壊されそうになるような毎日だったけど、ライブに来てくれるお客さんの言葉や、それまで知らなかった誰かに自分の音楽が届いたという実感を以って何とか貫き通せていた。
それを幸せと思っていたし、100やって100返っては中々来ないけど、その代わり思いもよらない何かが返ってきたりもするこの世界に対して書こうと決めた。

それまでの弾き語りとしてやってきた4~5年をサッと振り返りながら考えて、書き直した。
だからこの楽曲で知ってもらったり、気に入ってもらえるという事に個人的には凄く意義があって、改めて世に出した最初の楽曲が「fallin`」で良かったなと時折ふと思う。

暗い事を歌っているという声もたまにあってくれたりする。
でもこの楽曲を書けた事自体が本当に希望だったし、想像もしてなかったような展開や景色を引っ張ってきてくれたこの楽曲は、俺にとって紛れもなく希望の歌です。

2018.10.26.PM19:14

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