Ghost like girlfriend

TestifyColumn

2018/7/4 PM24:49

先日、先輩とご飯を食べているとハザマリツシという男から「飲んでるから明大前に来い」との連絡があったので終電に飛び乗った。
その車中でTwitterを見ていると、Ghost like girlfriendのコピーバンドをするという知らない大学生のツイートがあった。
開催日は日付変わってその日の昼前と書いてあったので、その足で向かう事を決め、その頃に目的地に到着した。

ハザマは4年程前のライブの際に仲良くなって、以来よく遊んでいる数少ないミュージシャン仲間である。
遊ぶ時は大体いつも笑い死ぬ。
そして理由は決まってほとんど覚えていない。

案の定その日も朝9時まで、泥酔した上に吐きそうになる程笑い続けた為、疲弊しきっていた。
半ばヨロけながら改札をくぐって乗車したものの、出発して電車が進む毎に酔いが覚め、乗り換えの駅に着く頃には復活。
そして再び改札をくぐろうとPASMOを取った手にはもう汗が滲み始めていた。
勝手に向かっておいて、勝手に緊張し始めて、何度考えても自分がよく分からない。

知らないライブハウスだったので地図を探そうとした時、楽器を背負って話す何人かが目の前を横切っていく。
もう本当に、スーパー気持ち悪いのは承知の上でその人たちから距離をとって尾行した。
朝とは言え人の混み合う街中で、何とか見失わぬよう喰らい付いてついて行くと、やがてその人たちは次々とある扉の中へ入って行った。
しばらくしてその扉を見に行くと、会場の名前が書いてある。
ビンゴだった。

開演まで1時間、踵を返してビッグカメラへ入り、練りに練り歩いた。
どう考えても必要ない家電の説明欄を熱心に読んだり、酔うので出来ないものの最新型のゲームを知って久々にやってみたくなったり。
まあまあ楽しんでいたら時間が来たので、会場へ向かった。

自意識過剰なので「バレたらどうしよう」とか勝手にドキドキしながら受付へ向かい、信じられないスムーズさで会場に入れてもらった。
フロアに居たほぼ全員が自分より歳下なはずなのに、自分より大人びている。
あの場で格好含め一番地味だったのが自分だったので恥ずかしくなった。

ここで観ようと場所を決めた頃に本番が始まった。
ボーカルの方が業務連絡をサークル内の方達に伝え始める。
きっと全然、何てことない光景なんだろうけど、部活もサークルもバンドもやったことがない身からすれば凄く羨ましかった。
やっておけば良かったなと、後悔すらした光景だった。

「fallin’」のイントロがふいに鳴り始める。
ものすごく聴いた事があると思った。
当たり前である、自分で作ったんだから。

知り過ぎている楽曲が、全く知らない人の楽器と声を通して聴こえてくる。
知らない光景の中で。
居ないので分からないけど、産まれたての子どもと、そして成長して20歳くらいになったその子どもが同時に眼前へ現れるような感覚だった。
その巨大な感覚を「おぉ」とか「へぇ」とか、小さな声を出して消化しながら観ていた。

「fallin`」と「煙と唾」の2曲をやってくれた。
凄く嬉しかったし、思う事がありすぎてとても疲れた。
熱くなった身体をなるべく格好良くフロアから追い出して、地上へ出れば太陽が差す。
逃げ場を探し、パチンコの次に近かったタワーレコードへ。
店内を見ていると自分のパネルが置いてあった。
不意の出来事だったので、その瞬間にも「おぉ」と小さく声が漏れた。

自分の音楽が沢山の人に知られて欲しいというのが夢である。
先週ここで、無意識にささいな人や場所にも夢を結びつけていると書いた。
大概それらは叶わないと知った時に実感する。

反対に、ふいに現れた現象や景色で、夢がほんの少し叶ったと実感する事があることも教わった。
現れないと想像にすら及ばないものが沢山あるんだと知らされた。

大きな場所でライブをするとか、最初から浮かべていたものに近づく道中にあるそういった幸せたちに、丁寧に触れていきたい。

相変わらず曲作りをしていて、これから歌詞を書く。
聴いてもらえる瞬間が来た時、何が起こるのかを片隅で考えながら。
温かい曲になりそうな予感がする。

2018/7/4 PM24:49

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